季節は冬 とうとう今年も 白い雪が地面を被う 季節がやってきた
冬は冬らしく そんな感慨に耽って なにげに その感想を口にしたところ
帰宅した妻から すぐさま
「何言ってんの 降ってるのは ここだけよ ここだけ 参っちゃうよねー」
とキツイ一言が返ってきた
朝夕の通勤もなくなった今は
この山里から少々下ったところの天候や道路状況などには
とんと無頓着になっている 自分だ
一方で ここ山里にだけ 雪が降るのには どうしても我慢がならず
いつも嘆いているのが 妻だ
だが その妻も 雪の日の勤めに関しては 少々違うようで ややストイックであるらしい
同僚から 標高の高い所はやっぱり雪が降るし
そこから通勤しているんだから仕方ないよ などと言われるらしいが
いつしか 何気ないこの物言いが 癇に障るようになってきているらしく
そんな朝は 自然と 早出をして行く
近くに コンビニもスーパーもなく どこに行くにも車頼みだし
生活する上でも 何をするにも 不便だと感じてしまうこの山里
不便さを絵に描いたようなこの地に 図らずも嫁ぐことになってしまった妻だが
今では山里に住むこと もう40年になる
嘆き節は まだまだ続くだろうが
いつの間にか 山あいに嫁いだ たくましい女性になっていてくれるのが
夫としても どこかうれしい
では、
エンジョイ 山里暮らし