小説 「姑の遺品整理は 迷惑です」

暮らしの中で

最近ハマっている作家 垣谷美雨さんの作品で

「姑の遺品整理は、迷惑です」というのがある

タイトルだけを見れば一瞬 こんな本を読んでいるところを

老親に見られたらどうするんだなどと思ってしまうが それがそれが奥深い

古い団地でエレベータなしの4階に住む姑が脳梗塞で突然死 収納はたっぷり

モノを捨てないタイプの姑だったため 遺品の多さは尋常じゃない

一人暮らしとは思えない 布団の数に 食器の量  衣類  小物 食品

新聞紙  粗大ゴミが 部屋や押し入れにいっぱい残されている

その遺品を分別し 資源回収に出すものはちゃんと分けてルールを守らねばならない

なぜ一人暮らしにこんなに物が必要だったのか

どうして死ぬ前に もうちょっと整理しようと思わなかったのか

遺品整理に ただでさえうんざりしているところに 

さらに不穏な出来事が 次々に巻き起こる

この小説の主人公は一人息子の50代の嫁で 実に身につまされる設定なのだが

これが実に楽しく笑わせてくれる

とにかく「あるある」のオンパレードだ

遺品整理から姑の生前の生活が次第にわかってくるのもいい

もう言葉をかわすことのできない相手と 遺品を通して会話しているかのようだ

小説の展開の中で 遺品整理をしていると 次々に助っ人が現れる

隣近所の人が語る生前の姑の話から その人柄が共感を呼ぶというもの

亡くなって初めて知る姑の姿だった 

そのひとつひとつが身に沁み 遺された物が 人を語る

遺品を片付けるということは その人の姿を心に刻み付ける儀式であり

最後のコミュニケーションなのかもしれないという

遺す人 遺される人の両方が必読の1冊だと思えた

自分はもちろん ただいま断捨離中断中の妻 できれば老親にも何気なく読ませたい気がする

それでもやっぱり 「もう少し整理しておいてもいいんじゃない」などと

子どもたちに言われないように 物の整理は普段から気をつけていたいものだ

では、

エンジョイ! 普段からの断捨離

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