父親98歳 先月(10月)末をもってとうとう運転免許を返納した
その決意には 並々ならぬ覚悟が要ったに違いない
山間地に住んでいると どうしても生活の足としての車が必要なことは
地域の人たちは誰もが知っている
子どもたちが 学びや働く場を求めて都会へと出て行ってしまうのは
仕方のないことだと早くからあきらめてもいた
だが それでも周辺地域に残された高齢者たちは
病院へ通わなければならないし スーパーへ食料品も買いに行かねばならない
そんな時 どうしても車は便利でなおかつ必需品なのだ
そんな現状をよそに 最近は特に高齢ドライバーの事故についての話題が
テレビや新聞で取りざたされることも多く 心を痛めつつも
肩身の狭い思いはつのる一方だったに違いない

3年前に最愛の妻をなくし しばらく仏壇に向かって独り言をつぶやいていた父親
そんな折 仲間に誘われ唯一の趣味であるゲートボールに
自ら車を運転して行くことで 元気を取り戻したことも知っている
これらの事情を踏まえながらも
免許返納という大きな決断をした父親の勇気に 心から拍手を送りたい
98歳にもなると やはりどこかしらガタがきているのも 自分では承知しているらしく
98年生きるということはこういうことなのだよと
いつしか子どもである自分も教えてもらっている

今月からのゲートボール行き 病院通いに必要な運転は お任せを
そしてこれからも元気に 老いることの手本を見せてほしいものだ
では、
エンジョイ 元気な老後

