届け 草刈りの声

暮らしの中で

ジメジメとした梅雨空が続いたと思ったら 今度は一転して夏空だ

ほどよい湿り気と照りつける日射しは みるみる内に家の周りや道々

そして田畑に雑草を茂らせていく 毎年のことだが 野菜をはじめとする農作物の収穫のために

雑草との戦いが今年も続く

ここ山里は以前に比べてだいぶ戸数が減ってしまったとは言うものの

今でも34軒が小さなコミュニティを形成している 特に行政から要請があるわけではないが

自分の家や農地の草刈りはもちろんだが 年に数回の頻度で 農業用水路や農道脇の草刈りを

各戸が総出で行なっている  朝6時に集合し8時頃まで 全員で汗を流し草刈りをするのだが

その年齢構成はというと 50代以下がたったの8名 60代が13名 70代が8名

80代が5名といった超高齢草刈り集団だ  世に言う限界集落という言葉が

現実味を帯びてきているのはまちがいなく あと5年先 あと10年先のこの山里が

どうなっているのかを考えると誰もが心配でたまらないはずだ

各家の子どもたちは そのほとんどが仕事や便利さ・快適さを求めて都市部へと転出していく

山里に残る親たちも 子どもたちには 自分達と同じような苦労はさせまいとなかば公認の上でだ

高齢化が進み 近頃は自分の家の周りだけでも大変な草刈りになってきているのだが

それでも防火用水や農業用水の維持のためだけでもなく この山里の温泉を訪ねる人たちや

散歩やセラピーを求めてやってくる人たちのことも思いつつ

今日も自主的にその草刈りを終えたところだ

残念だが 夏草は刈っても刈ってもすぐに伸びてしまう

でも草刈りを終えた直後の道々はスッキリとしていて 作業した自分達もそうだが

ここ山里を訪れてくれる人たちにとっても きっと気持ちがいいに違いない

都市への若年人口の転出と周辺部のこうした限界集落への末路を 行政側でも承知しているはずだが

一向に改善策は示されないままだ

実は先日 広報に載っていた「過疎地域持続的発展計画(素案)に係る意見書」に

僭越ながら夫婦で考えた意見書をメールで送信させてもらった

だが いまだに回答もそのメールが行政側に届いたのかどうかも定かではない

戸数も住人も選挙人もますます減少の一途で この山里の意見を汲み上げてくれる手立ても

限られていく一方だ どうか この山里の自然を維持し 美化のために大変な草刈りをしながら

頑張っている地元高齢者たちがいることを知ってほしいし 

せめてその姿だけでも見てもらって 労ってくれたらと思う

そして 都市部とその周辺部がその均衡を保ちながら市全体が発展していくことを強く望んでいる

 頑張れ  超高齢草刈り集団

 届け   山里からの声 

では、

エンジョイ! 愛すべき大自然

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