年を重ねても健康にお酒を飲めるということは
いかに幸せかということをこの年になって実感している
周りを見れば 飲める人も飲めない人もいるが これには多分に遺伝子が影響しているらしく
日本人の37~38%がお酒に弱い体質で 6~7%がまったくお酒の飲めない体質なのだそうだ
だとすると 自分はお酒が飲める体質 ? のようでうれしい限りだが
コロナ禍の巣ごもりとそれをいいことに最近はつい酒量が増えてしまっていることが 悩みの種だ
最近のブログで佐久13蔵の地酒(日本酒)について紹介したが
その中でも私が一番好きな酒蔵はこの山里からも一番近い旧望月町にある武重本家酒造だ
そして その代表的な銘柄が “御園竹(牧水)” だ
牧水というのは、酒仙の歌人としてその名も高い若山牧水にちなんでつけられているとかで
牧水は何度かこの酒蔵を訪れては和歌を作り
会社の入り口にはその時に詠まれたとされる歌3遍が石碑に刻まれている
人の世に たのしみ多し 然(しか)れども 酒なしにして なにのたのしみ
白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり
よき酒と ひとのいふなる 御園竹 われもけふ飲みつ よしと思へり
若山牧水
“御園竹(牧水)”は 蓼科山から流れ出た山麓(旧本牧村)の伏流水を使い
全国的にも珍しい『生(き)もと造り』といって この地で最適な酒造米『美山錦』を使い
通常4週間程度で造る酒を8週間もかけて丁寧に仕込むことで造られるもので
旨みのある辛口に仕上がっているという
若山牧水の酒にまつわる歌は この他にも数え切れないほどあるらしいが
自分自身が酒を飲み始める時の心境にピッタリな歌が・・・
かんがへて 飲みはじめたる 一合の 二合の酒の 夏のゆふぐれ
・・・だ
今日はこれだけでと考えて飲みはじめた酒が二合 三合とどんどん増えていってしまう様を
表しているようで まさに酒飲みの心境を見透かされているような気がして好きだ(ちょっと反省)
また牧水は我が山里春日温泉にも滞在したことがあるらしく
その時に詠んだとされる歌が源泉公園の碑として残されている
それが次の写真の歌碑だ
蜩(ひぐらし)なき 杜鵑(ほととぎす)なき 夕山の 木がくれゆけば そよぐ葉もなし
“自然と酒”を愛した歌人それが若山牧水で 何と1日一升は飲んだと言われている
いくら酒好きとはいえ 1日一升は飲みすぎで それゆえか43歳の若さで亡くなっている
“自然と酒”を愛することは牧水にも負けないはずだが
その感慨を歌に詠みこむことができないところが やはり我々凡人なのかもしれない
昔と違いお酒の種類も増え その楽しみ方も人それぞれだ
なかまと酌み交わす地酒(日本酒)は 至高のひとときで
時にはまじめに時には高尚に 酒仙の歌人と古とを偲び 心ゆくまで酒を酌み交わしたいものだ
ついでに歌も詠んじゃう?(なんちゃって)
では、
エンジョイ!牧水を愛する酒飲み人
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