「人生100年」と言う用語を 最近自分でもよく使う
その人生を山に例えると やはり登ったら下りなければならない
人生の半分である50歳をピークと考えれば 出だしの50年は人生の前半期ということになり
先ずは山の頂上を目指す
そこから今度は 50年をかけて後半生を下っていくことになる
山を登る時 人は前を見て必死で登る 後ろを振り返る余裕もないほどにだ
だが 下山する頃になると不思議とその登山の意味を考えたり
下界を眺める余裕も出てきたりする
64歳の今にして 何となくだがそのことが分かる
現役の頃は 真っ直ぐに前ばかりを見て 苦しいから早く早く
先へ先へと思い進んできた
その一方で 退職した時というのは すでに下っている途中ではあったのだが
それからの2年を振り返ると 周りの自然やら たとえば足元の高山植物やらを
愛でたりしながら 一歩一歩ゆっくりと下りて行っているような実感がある
以前のように身体は思うように動かないし 体力も落ち
目や耳や記憶力も少しづつ衰えてはきている
だが 人生の総括はゆっくりと進んでいけばいいのだと 近頃ではそう考えるようにしている
自分の一生の来し方 行く末を思いながら下っていく状況は
実は豊かなことなのだとも思える
前半生を今懸命に生き 必死に頂上に向かおうとしている子どもや若者たちには
やっぱり頑張って生き抜いてほしい
自分たちがそうであったように 仕事や子育てに夢中な頃は
人生の後半を意識して生活などできるはずもない
だからと言って後半生の我々が 前半生の若者たちに特別何かをしてあげられる訳でもない
時代は変化を遂げ 必ずしも我々と同じような状況が訪れるとは思えないが
後半生にいる我々が この時代をこんなふうに考えて暮らしている
ということだけは見せてあげられる
飛びっきり幸運の中にはいないが ささやかだが幸せな時代を
ゆっくりとゆっくりと下っている それが今の我々だ
では、
エンジョイ! 人生100年の後半生
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