医者の不養生

暮らしの中で

若い頃というのは 少々我慢をしてでも平気を装い 無理を耐え忍んだものだ

ところが年老いた今はどうだ

時と場合によっては 無理をして平気を装うこともないではないが

大抵は それを包み隠さない

むしろ 病気自慢や薬自慢の方に積極的だったりする

病気なのに はたまた薬をこんなに飲んでいるのに

自分は元気なんだぞと アピールしたりもする

年を重ねるというのは 実におもしろいものだ

昭和年代のわれわれの現役時代は 家庭を顧みずに仕事に打ち込んだ

毎日毎日 深酒もした 仕事があろうが 大酒を飲もうが 自分は全然大丈夫

そんなタフがいぶりを示すことこそが

むしろ一流のサラリーマンの理想像だ と勘違いをしていた

今思えば 全くのナンセンスで むしろ異常体質そのものだ

この頃流行した不適切にも程があるの典型である

中学の時の同級生で 今はS県で接骨院を経営するTTという友人がいる

最近聞けば なんと 今度 椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症で手術をするのだという

「あれっ、それって自分の専門だよね〜っ」と ツッコミを入れると

仕事のため 家族のためと 無理を承知で毎日を過ごしてしまったらしい

そしてとうとう内視鏡手術ではダメで 本格的な専門医による手術を受けるのだという

結果 年内は車の運転もお風呂の湯船にゆっくり体を沈めるのもNGなのだそうだ

ここぞとばかりに 紺屋の白袴 接骨医(医者)の不養生

ふてほど(不適切にもほどがある)について コンコンと言ってやった

でも TT君 心配はしているんだよ 治ったら 正月には美味い酒を田舎で飲もう

日々の仕事のこともあり 今は大変だろうけど

ここは 自分に我慢の休養を

そして世話になる奥様には心底からの感謝を忘れないでよ

くれぐれもお大事に

では、

エンジョイ 後半生

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