主役の交代

暮らしの中で

 

かつてのぶどうの主役は 何と言っても「ナイアガラ」と「デラウェア」だった

還暦を過ぎた 我々世代の小学校の運動会などでお馴染みなぶどうと言えば

この2つだったような気がする

あれから半世紀を経て いつしかそれは 「巨峰」に そして「ピオーネ」

「シャインマスカット」に「ナガノパープル」近頃では「クイーンルージュ」

という品種にとって代わられている

当時を振り返って見ると きれーーいな エメラルドグリーンのぶどうを思い浮かべる

その名は 「ナイアガラ」だ

ぷちっと ぶどうの実だけを口に入れたら そのまま香りを楽しんで

あとは噛まずに 種も出さずに ゴクリ と飲み込むのが

ナイアガラを最も美味しく食べる方法だった

今の時代 粒を噛まずに飲み込むのは 少々勇気がいるが

口に粒を入れた瞬間こそが 最高においしい

で  そのあと 実を噛んでしまうと 種の周りの酸味がにじみ出てきて

少し酸っぱくなって なぜか美味しくない

一方 「デラウェア」は皮が薄いので 大きなぶどうに比べて皮ごと食べても気になりにくいのだが

残念ながら少々小粒で 感動も薄く 満足感にはやや乏しくなってしまっている

今やぶどうの主役は ぶどう三姉妹の

「シャインマスカット」「ナガノパープル」「クイーンルージュ」で

これらの共通点はいずれも種無しの皮ごと食べられる絶品だ

いかに昔を懐かしもうと なかなか古き良き時代の「ナイアガラ」や「デラウェア」

つい最近までは主役の 種ありの「巨峰」にさえ戻れなくなってしまっているのが現実だ

主役の交代というのは 時代の要請で致し方ないことなのだが

その昔に 自分たちが伸び伸びと 謳歌した時代も決して忘れまい

では、

エンジョイ! 古き良き時代も

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